貯金がしたいなら!本多静六式のススメ。っていうか本多静六って誰?
あなたは貯金が得意なタイプ? それとも不得意な散財タイプ?
もしも後者だとしても、「貯金なんて嫌い・したくない」という人はいないはず。
貯金が苦手な人も、ある心がけをしていれば、お金を貯めることのできる「貯金体質」に変身することができます。
そして、そのヒントを教えてくれるのが、「本多静六(ほんだせいろく)」という人物!
って誰だよ! 日本史の教科書にいたっけ!?
今回は本多静六という人物から、彼が教えてくれる貯金をコツまでをご紹介。
【本多静六ってどんな人?】
本多静六は、日本で初めての林学博士であり、「公園の父」とも言われる人です。
日比谷公園や明治神宮などの、日本各地の公園を設計に携わります(むしろ、日本の有名所の公園では、彼が関わっていない公園の方が少ないと言える)。
また、政府からの依頼で、関東大震災で荒れ果てた東京の復興の原案を描いたのも他ならぬ静六でした。
自らの母校であった東京大学農学部教授となった本多静六ですが、典型的な何不自由のない金持ちの息子というわけではありませんでした。
もともとは裕福な名家の生まれではありましたが、9歳の頃に父親を亡くし、家は借金まみれとなり大きく傾きます。
それでも向学心を持っていた静六は、上京して住み込みの書生となり、農業が忙しい時期には実家に戻り、そちらで働くという実に多忙な日々を過ごします。
この若き日の苦労から、静六は「勤倹貯蓄」――仕事に励み、お金を貯める――を処世訓とすることとなりました。
そして彼は、林学博士で多くの実績を残した一方、投資家としても名を残すこととなったのです。
【本田式貯金法――収入の4分の1を先取り貯金する!】
静六は自身の貯金法を、その著書、『幸福への道』の中で以下のように実に具体的に語っています。
「あらゆる通常収入は入った時に天引きにその四分の一を貯金するほか、さらに臨時収入全部を貯金して通常収入増加の基となす方法(貯金=通常収入の天引き四分の一+臨時収入全部)であります。(※現代仮名遣いに改めてあります)」
先取りで4分の1貯金&臨時収入はすべて貯金、たったこれだけ!
そのあとにこうも書いています。
「世には、まず倹約に暮らしてみて、残ったら貯金しようという人もあるが、かような手ぬるい明日主義では到底ダメであります。」
【「本田式貯金」は金利による収入を重視したものだったが……】
この「本多式貯金法」の書かれた見出しには、『必ず貯まる本田式貯金』とあり、静六の自信の程が伺えます。
静六はこの貯金から生まれる利子を、大きな収入になるものとして重視していました。
『幸福への道』が著された昭和15年の6年後の、昭和21年の普通預貯金の金利の利率は1.83%。その後高度経済成長期を迎えると、さらに増。
対して現在の利率は0.02%と、大きく異なります。
そのため、現在ではこれを収入のあてとして頼ることはできないでしょう。
しかし、「貯金をする」という目で見れば、本田式貯金は実に有効な手立て。
その後にそのお金をリスク低く定期預金にしておくことも、投資に回すとも可能ですから、「お金が貯まらない!」という人はぜひ実行してみてくださいね!
【最後に】
長い目で先取り貯金をするという本田式貯金は、お金の長期運用を説いているものでもあります。
静六は林学博士で、公園設計のプロ。
植物という生き物を相手にして公園を設計する視点と、この運用方法は相通じるものがあるでしょう。
ちなみに、本多静六はこの貯金で運用して得た資産(数百億とも言われる)を、後年全て公共事業のために寄付しています。
2013年、彼の生誕地にほど近い埼玉県久喜市に、本多静六記念館が開館しました。
優秀な学者であり、篤志家でもあった彼が、平成の世に見直されている証拠かもしれませんね。